未来のお洋服
無縫製のオートクチュール作品の展示会に行ってきました。作品のほかに、作る工程もわかるようになっていました。未来のお洋服です。
制作工程のほとんどを自動化しているそうで、未来のお洋服の作り方を、詳しくきいてみました。
まず人間を3Dスキャンします。採寸ということですね。デザインに沿って服のパターンを作り、小さなパーツ(4c×4cくらい、デザインによります)に分けます。このパーツは、直径3mmほどの穴が、角に空いています。カーボンで作られた、突起のあるジョイントパーツが裏側からあてられ、3mmのあなにキュッとはいってつながり、お洋服の形になっていきます。ミシンはつかわないのです。
採寸も、パターンを小さなパーツに分けるのもコンピューター、裁断もレーザーカッター、一点ものですが、いままでの手仕事の比率の多いオートクチュールとは、全然違う作り方ですね。
素材は、今年はウルトラスウェードを使用しています。レーザーカッターとの相性バツグンです。ウルトラスウェードは、厚みの種類がたくさんありますが、展示の作品は、薄いウルトラスウェードを二枚接着して使っていました。表も裏も同じ表情にできますね。レーザーカッターの裁断面は、熱で少しこげるというか、溶けたような仕上がりになり、真ん中に、はさんである接着芯が見えなくなっているうえに、裁断面からの剥離も予防しているようでした。
ところでこの制作工程では、まだ人間の手作業で行われているところがあります。
ひとつは、最初に作るパターンです。パターンができれば、小さく分けるのは、コンピュータがやるのですが、デザイン画を立体にする創作は、人間です。あーよかった、パタンナーの仕事が無くなっちゃうとしんぱいしました。
いや待て、東レのアパレルCAD、パターンマジックⅡ3D では、製図、トワル作成、補正が、画面の中でできるようになっているではないですか。このソフトを使えばかなりのとこまで、手作業は減るんじゃないかなあ。でも最終は、実際トワルを組まなきゃですよね。
あと、レーザーカッターのデータも、1パーツずつ型入れしているそうです。1着のパーツ数がおおいので、大変な作業ですね。この作業も、アパレルでは、マーカマジックをつかって、ワンクリックで要尺を出しているので、なんとか使えないのかしら。レーザーカッターのデータは、イラストレーターでなければいけないそうです。マーカマジックの型入れ図を、.aiに書き出すことはできないんだろうか。
あとちょっとで、劇的に自動化できそうな予感がしますが、未来のお話なのか、どうかしら。
自動化といっても、このシルエットでオーケーかどうかの判断は、まだ人間の、決めるところだと思います。エンターキーを押すのは人だから。
会場のスタッフのかたには、とても丁寧にご説明いただいき、楽しい時間が過ごせました。ありがとうございました。
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